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徳洲新聞2021年(令和3年)5/3月曜日 NO.1285より
詳細は「徳洲新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。
長崎北徳洲会病院
新築移転で新病院竣工式を挙行
地域の医療機関中心に限定し内覧会も
医療法人徳洲会(医徳)は4月25日、長崎北徳洲会病院の新病院竣工式を挙行した。コロナ禍のため規模を縮小し、感染対策も施したうえで開催した。当日は医徳や同院の幹部をはじめ徳洲会、自治体、地区医師会の各関係者ら28人が出席し、新病院の完成を祝った。同日、地域の医療機関を中心に一部関係者に限定した内覧会も開き、病院や診療所の医師ら76人が参加した。長崎北病院はすでに旧病院からの移転をすませ、5月1日に新病院で診療をスタート。
安心してかかれる病院へ
神事後に竣工式の参加者が集まり記念写真を撮影
神事後、施主挨拶で安富祖理事長が登壇、関係者に謝意を示した後、「長崎北病院は徳洲会が1986年11月に事業継承して108床の救急病院としてスタートしました」と切り出し、建物の老朽化が進み地域の方や職員が建て替えを切望していたこと、前院長の堀内芳夫総長が建て替えを目標に長年努力してきたこと、そのバトンを鬼塚院長が2018年に引き継ぎ職員一丸となって取り組んできたことを伝え、「本日、めでたく竣工の日を迎えることができました」と感慨深げに話した。
地域事情にも言及し、新病院の半径2㎞圏内に急性期病院が他にないことを強調。移転先の西彼杵郡長与町で「安全な医療を提供し、〝安心してかかれる、かかりつけ病院〟、地域で医療が完結できる〝頼れる急性期病院〟として、地域の皆様と一緒に育てていただけるよう、お願いします」と締め括った。旧病院があった長崎市滑石地区との間にシャトルバスを運行することも明かした。
地域の〝最後の砦〟に
鬼塚院長は自院の立場や役割を説明、「コロナ禍により長崎の医療も逼迫(ひっぱく)しています」と明かし、前日に8病院から断られた救急車に対応したり、院内では発熱外来やPCR検査の希望者を数多く受け入れ、一部の診療科で外来スペースが十分確保できなくなったりしたエピソードを紹介した。
新型コロナワクチンの集団予防接種が始まった地域の保健所から、副反応の対応で救急の受け入れ要請があったことも示した。これらをふまえ、行政や保健所と強い信頼関係を築いている点や、新病院は旧病院よりも広いスペースを確保し、長与町唯一の救急病院である点などを挙げ、地域の〝最後の砦(とりで)〟となる覚悟を見せた。
また、昨年末の院内クラスターにも言及。徳洲会グループをはじめ「行政、医師会、大学など〝オール長崎〟で当院を救っていただきました」と謝意を表し、今後も関係機関との連携を密にしていくことを強調した。
とくに「新病院で、まず私たちがやるべきこと」として、5月16日に始まる65歳以上の町民を対象とした新型コロナワクチン予防接種を挙げ、自院も医師を派遣するなど協力を明言。「西彼杵医師会の先生方と最初の共同作業になります」と気を引き締めていた。最後に、町民の方々の健康志向が高い地域特性を紹介し、「どのような医療が提供できるか、職員と協力しながら考え、期待に応えていきたいと思います」と意気込みを語った。
その後、来賓を代表し、まず長与町の吉田愼一町長が挨拶。医療や健康に対する町民の意識が高いことに触れ、新病院の完成を「感無量の思い」と表した。長崎県下21市町村のなかで介護保険料が最も低いことや、定期的にウォーキングなど健康増進を促すイベントを実施していることを挙げ、今後も医療をはじめとする関係者と連携し、町民の健康づくりに努める意欲を見せた。
西彼杵医師会の田中公朗会長は「当初から当医師会への入会、地元医師会員と協調した地域医療を目指すと表明していただき、この日を待ち望んでいました」と吐露。全国で新型コロナ対策に苦慮するなか、長崎北病院のこれまでの経験をふまえ医師会にとって「頼もしいバックアップ病院のひとつなることを確信しました」と語気を強めた。最後に「今後は当医師会会員として、ともに医療を担ってほしいと願っています」と期待を寄せた。
内藤建築事務所の菅忠昭・執行役員兼西日本統括部長と松尾建設の松尾哲吾社長も、それぞれ挨拶に立ち、新病院の特徴として、とくに耐震性に優れている点を挙げた。式後、列席者はグループに分かれ、新病院を内覧した。
内覧会では感心の声も
地域の医療機関を中心に一部関係者のみを対象とした内覧会も開き、76人が参加した。なかには在籍する医師全員が訪れた病院も見られるなど、新病院に対する関心の高さがうかがえた。
コースは1階、3階、2階へと進んでいく形で、1階は救急外来、検査室(CT=コンピュータ断層撮影、X線透視装置など)、内視鏡室、健康管理センター、受け付けなど、3階は病棟や食堂、2階は透析室と女性外来(子ども用のプレイルーム、内診室、3Dマンモグラフィーなど)と順次見学。参加者は各スペースでスタッフの説明を受けながら、自然光による明るい空間や、患者さんとスタッフ双方に配慮した動線などに感心していた。
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