東京西徳洲会病院 「緊急大動脈重点病院」に指定 解離・瘤破裂症例を最優先で搬送受け入れ

徳洲新聞2026年(令和8年)7/20月曜日 NO.1552より
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東京西徳洲会病院は、東京都CCU連絡協議会(東京都CCUネットワーク)から急性大動脈スーパーネットワーク「緊急大動脈重点病院」の指定を受けた。急性大動脈解離や大動脈瘤破裂など、緊急性が高く致死率の高い急性大動脈疾患の救急搬送を24時間365日受け入れ治療(手術・入院)を行うのが役割。救急隊員による最優先の搬送先として位置付けられている。同院は「緊急大動脈支援病院」から格上げされ、5月1日付で今回の指定を受けた。高度急性期病院として多職種が一丸となり、急性大動脈疾患に対する地域の医療体制強化や救命率の向上に一層貢献していく。

大学病院や救急センターから紹介受ける“最後の砦”

東京都CCU連絡協議会は、急性心血管疾患の患者さんを迅速に専門施設へ搬送し救命することを目的に、1978年に発足。東京消防庁、東京都健康局、東京都医師会、各加盟施設による共同の取り組みだ。

急性大動脈スーパーネットワークの運営が始まったのは2010年11月。発症後、迅速な治療開始が救命の鍵を握ることから、診療体制が整っている医療機関をあらかじめ搬送先として指定しておき、搬送先の選定にかかる時間のロスを極力なくすための仕組みだ。

「緊急大動脈重点病院」(15病院)と「緊急大動脈支援病院」(28病院)で構成、それぞれ指定基準を定めている。同重点病院になるには、直近3年間で合計100例と多数の緊急大動脈疾患の手術実績や、24時間365日の搬送受け入れが可能であることが必須。重点病院が手術中などの理由により収容困難な場合、支援病院が搬送先となる。

“最後の砦”としてハートチームを牽引する堂前院長(左)、嶋田・主任部長

急性大動脈解離や大動脈瘤破裂に対する緊急手術を行う嶋田・主任部長(中央)

05年に開院した東京西病院は、現院長の堂前洋院長が09年に循環器内科部長として着任以降、診療に尽力。その実績などが評価され、関係機関から加盟要請を受ける形で13年4月に東京都CCU連絡協議会に参画。20年に嶋田直洋・心臓血管外科主任部長が着任し、21年に急性大動脈スーパーネットワークの支援病院として指定を受けた。

堂前院長は「私の着任後しばらくは、循環器内科、心臓血管外科ともに医師不足でしたので、救急搬送を受けて大動脈解離などであることがわかると、重点病院や支援病院に連絡し受け入れを依頼していました。そうした時代を経て、その後、ハートチームとして両科の充実が実現し、現在、循環器内科は常勤医6人体制、心臓血管外科は嶋田・主任部長をはじめ5人体制にまで強化できました」と述懐。

続けて「3年間で100例という条件をクリアするなど、ここ数年間は多摩地域の大学病院や救命救急センターから急性大動脈解離などの症例の紹介を受けるなど、『最後の砦』として実質的に重点病院の役割を果たしてきました。今回、名実ともに重点病院となることができたと考えています」と思いを語る。

同院は25年の1年間で、急性大動脈解離や大動脈瘤破裂などの救急搬送を計79件受け入れて治療にあたった。東京都のすべての重点病院と支援病院のなかでも上位に入る実績だ。

嶋田・主任部長が強調するのは、同院の総合力の高さだ。「執刀する心臓血管外科医だけでは治療を完結できません。やはり、循環器内科や救急総合診療科、麻酔科の先生方、看護師や臨床工学技士、事務職などのスタッフが高いモチベーションを維持し、興味をもちながら診療に参加してくれていることがとても大きく、スタッフに恵まれていると感じています」と説明する。

同院は今ではTAVI(経皮的大動脈弁置換術)やIMPELLA(補助循環用ポンプカテーテル)を用いた治療など、心臓領域の高度な医療に幅広く取り組んでいる。「どんな時でも“断らない医療”を実践し続け、これまでどおり、すべての搬送を受け入れるつもりで取り組んでいきます」と嶋田・主任部長は意欲を見せる。教育も重視し、心臓に強い病院という地位を確立して、若い医療者が集まる病院にしていきたい考えだ。

高度急性期病院として着々と地歩を築き、診療機能の充実を図る同院。堂前院長は「急性大動脈疾患に対する緊急手術を2件同時に対応できるようになれば、重点病院として完成形だと思います」とさらなる目標を掲げている。

徳洲新聞2026年(令和8年)7/20月曜日 NO.1552より
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