徳洲会グループ アフリカ諸国へ心カテ治療を技術指導 チュニジアで開催の第三国研修プログラムに協力

徳洲新聞2026年(令和8年)8/31月曜日 NO.1558より
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徳洲会グループはチュニジアで開催されたアフリカ諸国の医療水準向上を目的とした第三国研修プログラムに協力し、同国や周辺諸国の医師に技術指導を行った。同プログラムはJICA(国際協力機構)の支援の下で実施。ターゲットは循環器領域で、心臓弁膜症などに対するカテーテル治療技術の向上が主眼。徳洲会は”生命だけは平等だ”の理念実践の一環で、アフリカやアジアなどでの国際医療協力を推進しており、同プログラムへの協力も参加各国の医療水準向上を通じた患者さんへの貢献が目的だ。

第三国研修プログラムはJICAや協力機関が、技術伝播の拠点となる途上国を支援し、周辺途上国からの研修員も受け入れて技術指導を行う国際貢献活動。昨年の「第1回アフリカ諸国のための心臓学・循環器学」に続く2回目が開催された。開催国のチュニジアに加えスーダン、エチオピア、タンザニアなど11カ国から合計17人の医師が参加した。会場はチュニジアの首都チュニス。

徳洲会からは、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の齋藤滋・心臓センター長、宍戸晃基・循環器内科部長、松本崇・循環器内科部長がオンラインで参加。徳洲会東京本部のムワナタンブエ・ミランガ顧問(アフリカ担当)が現地参加した。

開催期間は6月17日から3日間。1日目には参加各国の医療事情や僧帽弁狭窄症治療の現状に関する発表や、チュニスにあるラブタ病院のモハメド・サミ・ムラリ循環器内科部長らが経食道心エコーをレクチャー。齋藤センター長らは2、3日目に登場し手術動画を用いてビデオプレゼンテーションを行った。

「アフリカではリウマチ熱(溶連菌感染後に発症する全身の炎症性疾患)に起因する僧帽弁狭窄症の発症が多く、イノウエ・バルーンを用いた経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)は依然として高い需要があります。そのため前回に続き今回もPTMCのセッションが組まれました」と齋藤センター長は説明する。

「より高度な治療技術を学びたいという要望が高まっています」と齋藤センター長(右)、松本部長

「今後も各国の発展段階に応じた技術支援を」と宍戸部長

現地会場で他の参加者とミランガ顧問(前列右から8番目、写真提供:JICA)

より高度な治療技術を 学びたいという要望も

一方で、アフリカ諸国のなかでも国外留学した医師が世界標準の医学を学び、高い医療技術に達しつつあるチュニジアのような国では、PTMCなど基本的な治療法は確立しており、より高度な治療技術を習得したいというニーズがあるという。

「アフリカでも経済発展により生活習慣病が増え、冠動脈疾患が増加傾向にあり、PCI(経皮的冠動脈形成術)の治療ニーズが高まっています。さらにCTO(慢性完全閉塞)など、より複雑な病変や最先端のデバイス(医療材料・機器)を用いた高度な治療技術を学びたいという要望も高まっています」(齋藤センター長)

そこで今回、2日目に齋藤センター長と宍戸部長がCTOを2症例発表し、3日目には松本部長がTEE-guided TSP(経食道心エコーを用いた心房中隔穿刺)をともなうMitral TEER(経カテーテル僧帽弁接合不全修復術)を2症例(PASCALとMitraClip)発表。手技のポイントやコツ、注意点などを解説、参加者とディスカッションした。

宍戸部長は「参加各国の循環器医療・設備の普及度や技術水準に大きな格差があることを学びました。今後も各国の発展段階に応じた技術支援の継続が大切だと思います」と強調。

松本部長は「チュニジアでは近いうちにMitraClipが導入される見とおしとのことで、TEE-guided TSPを学んでおくとMitraClipもスムーズに導入できることから、非常に高い関心が集まっていました」と振り返る。

またミランガ顧問は「チュニジアをハブ(中継拠点)として、アフリカ諸国の循環器内科領域の医療レベル向上のため、これからも技術支援を行っていきたい」と意欲を見せている。

オンラインで参加し他の出席者やアフリカ諸国の医師らとディスカッションする齋藤センター長(正面モニター、写真提供:JICA)

徳洲新聞2026年(令和8年)8/31月曜日 NO.1558より
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