徳洲新聞2026年(令和8年)6/1月曜日 NO.1545より
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2026年度診療報酬改定で、徳洲会グループ10病院が厚生労働省からDPC特定病院群の指定を受けた(表)。DPCは診断群分類(傷病名や治療内容などによる分類)ごとに定めた包括点数に基づく急性期入院医療の定額支払い方式を指す。厚労省は急性期病院であるDPC対象病院を大学病院本院群、同群に準じた高い診療機能を有する特定病院群、それ以外の標準病院群の3群に分類。特定病院群への指定は、地域の中核的な高度急性期病院であることを示す指標としての意味をもつ。
厚労省によると26年6月時点でDPC対象病院は全国に1,685病院(見込み値)あり、内訳は大学病院本院群82病院、特定病院群172病院、標準病院群1,431病院。指定を受けるには、一定基準の実績要件をクリアすることが必要で、①診療密度、②医師研修の実施、③高度な医療技術の実施(外保連手術指数、特定内科診療)、④補正複雑性指数――の4要件だ。
大づかみに言えば、研修医の育成に力を入れながら、重症を多く受け入れ、外科系・内科系ともに難易度の高い治療に取り組んでいる病院が指定を受けられる仕組みだ。各地域の中核病院を評価する制度と言える。
またDPC対象病院は診療体制・実績がさまざまな観点から係数で評価され、そのなかに「機能評価係数Ⅱ」がある。これは効率性係数、複雑性係数、カバー率係数、地域医療係数を総合したものだ。

湘南藤沢病院は診療体制強化を図り高度な手術が増加

効率性係数は在院日数短縮の努力を評価する係数で、複雑性係数は治療の難しい複雑な病状の患者さんを多く診療している医療機関を評価。カバー率係数は、幅広い疾患に対応できる総合的な体制を評価し、地域医療係数は5疾病6事業などに対する体制評価・定量評価の係数だ。
重症患者の救急受け入れを評価する救急補正係数もあり、これは千葉西総合病院が全国トップ、宇治徳洲会病院(京都府)が2番目、札幌東徳洲会病院が3番目に高く、トップ15のうち9施設が徳洲会病院だった。
断らない医療を徹底 許可病床を使い切る
徳洲会は各病院と医事部会が連携しながら、各係数の向上や特定病院群の指定に向けた施策を推進。係数は病院収益に直結し、医療の質や療養環境を担保するうえで重要だ。
医事部会の福田洋平・副部会長(一般社団法人徳洲会経営対策室次長)は「これまでの診療報酬改定で大学病院への集約化傾向が進み、手術件数など実績要件のハードルが上がっています。こうしたなかでも9病院が継続して指定を維持し、新たに1病院が加わりました。一方、2病院が標準病院群に変更。ただし大幅な不足ではなくボーダーライン上でわずかに足りなかったのが実状です」と説明する。
次回改定での再指定を目指すとともに、特定病院群の維持・拡大に向けて、「救急医療の強化や断らない医療の徹底」、「高度な手術などを施行するための受け皿となるICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)を拡充し、許可病床を使い切る」ことの重要性を強調する。
2年ぶりに特定病院群に復帰した湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)。江原宗平・院長兼脊椎センター・脊柱側彎症センター長は「従来から取り組む脊柱側彎症の手術を中心とする整形外科に加え、診療体制が整ってきた心臓血管外科や脳神経外科でも高度な手術が増えたことが大きな要因でしょう」と分析する。
また同院医事課の鳥海亮・課長補佐は「泌尿器科や産婦人科に加え、外科(消化器、肺)にダヴィンチ手術を広げてきたことも、外保連手術指数の向上につながりました」と説く。
たとえば、肺炎を発症してARDS(急性呼吸窮迫症候群)や敗血症に進行した重症例などを含む特定内科疾患に関しては、診療内容を正確に反映した適切なコーディング(診断群分類の選択)を、各診療科の医師と事務部門が連携して実施。
鳥海・課長補佐は「経営が安定しなければ、医療機器の更新も職員の確保もできず、医療の質は保てません。医療の集約化という流れのなかで、高度急性期病院として特定病院群の指定を維持することは、自院の立ち位置を明確にし、地域貢献を推進するうえで重要と考えています」と力を込める。
複雑性係数で名古屋病院が 全特定病院群中1位タイに
複雑性係数が全特定病院群で1位タイだった名古屋徳洲会総合病院。機能評価係数Ⅱも高く、グループ内では湘南鎌倉総合病院(神奈川県)に次ぐ数値だった。同院医事課の肆矢幸輝次長は「徳洲会共通の方針ではありますが、やはり“断らない医療”の実践を重視しています。救急車を断らないことで、地域からの信頼を得ることができ、重症例を含む紹介患者さんの増加につながります」と示す。
同院は病床数350床のうち一般病床は300床、そのうちICU10床、HCU12床を有する。心臓血管外科、脳神経外科など外科系の診療科や循環器内科など同院の強みを生かした診療を行い、ICU、HCUを通じた質の高い集中治療が高い複雑性係数として顕在化した格好だ。
また同院は、より多くの患者さんを受け入れるため、適切なベッドコントロールを通じた病床の回転率向上を意識した取り組みも推進している。
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徳洲新聞2026年(令和8年)6/1月曜日 NO.1545より
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