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徳洲新聞2021年(令和3年)6/7月曜日 NO.1290より
詳細は「徳洲新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。
山北病院 「介護医療院」が順調に推移 要介護者の長期療養・生活施設
徳洲会グループで初めて
介護医療院は2018年度介護報酬改定で新設された施設類型。国は療養病床再編成の一環で介護療養病床の23年度末廃止を決定しており、介護医療院は同病床の転換先として創設された。21年3月31日時点で全国に572施設ある。
介護医療院は長期的な医療と介護のニーズをあわせもった高齢者の方が入所対象。要介護1~5で、胃瘻(いろう)など経管栄養や喀痰(かくたん)吸引、インスリン注射など日常的な医学管理、看取り、ターミナル(終末期)ケアなどの医療機能、さらに生活施設としての機能を兼ね備えた施設としての役割をもつ。入所者数に応じた医師、看護職員、介護職員の人員配置基準が定められている。
山北病院はこれまで一般病床60床、医療療養病床30床、介護療養病床30床の計120床を運用。このうち医療療養病床30床と介護療養病床30床を、4月1日に介護医療院に転換した。同院は建物内に老健優和の里(入所定員100人)を併設。一般病床、介護医療院、老健、訪問診療・看護・介護の各サービスを通じ地域の医療・介護を支えていく。
医療機関併設型などの場合、介護医療院の管理者は兼務が認められており、同院の小林司院長が介護医療院の院長を担う。また同院の山下昭二・看護部長、田宮喜一事務長が、山北介護医療院の看護責任者、事務責任者を務める。
田宮事務長は「山北地域の方々は『最期まで地元で生活したい』という思いをもつ方が多いです。一方で、独居の高齢の方々や老老介護が多く、在宅療養・介護には限界があります。介護療養病床の廃止が決定しているなかで、地域の高齢化、慢性期医療、介護のニーズに鑑み、当院の療養病床を介護医療院に転換しました」と経緯を説明する。5月31日時点で49人が入所、8割以上のベッドが埋まっており、滑り出しは順調だ。医療・介護療養病床に入院していた患者さんが転換後も継続して入所しているケースや、同院の一般病床で治療を終え、退院した患者さんが介護医療院に入所するケースが多い。
「より一層地域に貢献していきたい」と山北病院、山北介護医療院のスタッフ
医療療養病床を介護保険施設に転換する場合、財源が医療保険から介護保険に切り替わり、自治体の財政負担が増加するため、スムーズな転換が難しいケースもある。しかし山北地域には特養が1施設のみで、介護医療院のニーズが高いことから円滑に転換できた。
山下・看護部長は「介護医療院は長期療養が可能な”終の棲家”になり得る施設で、看取りの機能もあります。しっかりと地域のニーズに応えていきたい」と意気込みを示す。
同院は20年5月に介護医療院開設実行委員会を立ち上げ、多職種が会合を重ね準備。また全職員対象の説明会や、入院患者さんの家族や地域住民向けの説明会も開き、周知に努めた。昨年12月中旬から3月下旬にかけ、病室内のトイレの改修や手すりの設置、多床室にプライバシー確保のためのパーテーションの設置、壁紙の張替え、ベッドの入れ替えなど内装工事を実施した。居室は個室、2人室、4人室で構成。
土岐裕也・医療ソーシャルワーカーは「入所者さんのご家族からは『体調が悪くなった場合も近くに医師や看護師がいてくれるので安心です』と言っていただいています」とアピール。小林院長は「介護医療院の特性を生かした運用を行い、地域に貢献していきたい」と抱負を語っている。
清潔感のある居室で長期療養が可能(写真は個室)
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