第3回 Tokushukai Robotic Seminar 開催 知見共有し技術進化を臨床に還元 テーマは「共創が加速する次世代ロボット手術」

徳洲新聞2026年(令和8年)8/10月曜日 NO.1555より
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一般社団法人徳洲会(社徳)は7月19日から2日間、東京国際フォーラムでロボット支援手術に特化した学術集会、第3回Tokushukai Robotic Seminar(TROS)を開催した。武蔵野徳洲会病院(東京都)の桶川隆嗣院長(医療法人徳洲会常務理事)が会長を務め、「共創が加速する次世代ロボット手術」をテーマに、大学病院をはじめ第一線で活躍する徳洲会グループ内外のエキスパート(約半数は外部演者)が口演。心臓血管外科や消化器外科、泌尿器科、呼吸器外科、婦人科といった各領域の知見の共有に加え、工学的な視点から手術支援ロボットの進化を見とおすなど、学際的なプログラム(特別講演)も盛り込み、知のクロスオーバーを促進。会場とWEB(ライブ配信)によるハイブリッド開催で、延べ511人の参加者が研鑽を積んだ。

会場&ライブ配信で延べ511人参加

第3回TROSは会長講演をはじめ、工学系の大学教授らによる特別講演1~3、領域ごとにテーマを設け4~5人の演者が講演するシンポジウム1~6、徳洲会各施設での臨床最前線の取り組みを紹介する特別企画、安全などをテーマに据えたランチョンシンポジウムと多彩な企画を実施。会場の一角に各種ロボットの実機も展示した。回を重ねるごとに充実した学術集会に成長している。

開会式で徳洲会の東上震一理事長は「第3回も各領域の第一線でご活躍されているエキスパートの先生方に、一堂に会していただきました。ご発表いただいた知見を共有し、診療科や施設の枠を超えて、最先端の議論と忌憚のない意見交換を行うことが、患者さんへのより良い医療提供につながっていくものと期待しています。ロボット関連の学術集会ならTROSと言っていただけるよう、今回も充実したセミナーとなることを祈念しています」と主催者挨拶。

続く会長講演で桶川院長は、徳洲会が6月末時点で28病院に計35台の手術支援ロボットを導入し、手術件数は3,117件(2025年度)に上ることを紹介した。また今後のロボット手術の大きな方向性として「適用範囲のさらなる拡大」、「遠隔医療の実現」、「AIによる手術の自動化」を提示。それぞれについて事例や社会実証実験、技術進歩の進展状況を紹介後、第3回TROSの見どころを披露。

最後に、徳洲会が多数のロボット手術関連の論文を発表していることをふまえ、「徳洲会グループは“診療の集団”から“学術を創造する集団”に進化しています」とアピールした。

特別講演では3人の講師を招聘。特別講演1では、東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター医療材料・機器工学部門の原田香奈子教授が、最近話題のフィジカルAIの進化や現状の限界点、医療分野でのロボットへの期待や、それに対する工学的支援の方向性など、研究事例を交えながら視野の広い発表を行った。

特別講演2では、早稲田大学ヘルスケアロボティクス研究所/創造理工学部総合機械工学科の梅津信二郎・所長兼教授が現在、研究開発を進めているプラスチックと金属のハイブリッド3Dプリンタや体温応答型4Dステント、個別適合型人工骨など、ロボット手術の可能性を広げることにもつながる興味深い研究をテーマに発表を行った。

特別講演3ではメディエライト合同会社/京都橘大学健康科学部臨床工学科の中村亮一・代表社員兼教授が、情報工学や社会科学の視点から手術支援ロボットの展望を提示。習熟した外科医の手技や術中データを蓄積・解析することで、高精度なナビゲーションや安全な手術の標準化、教育環境の構築、さらには将来的な手技の自動化につながる可能性などを示した。

領域別シンポジウムの口演は、各施設の工夫や課題、高難度症例へのアプローチ法や注意点、各種手術支援ロボットの特性、標準化の工夫、合併症回避の方策、若手外科医の教育など多岐にわたった。

特別企画は国内初のロボット腎移植や、ダヴィンチ5の初期成績、ダヴィンチSPによる大腸がん手術、心臓領域のロボット手術の特殊性など、最先端のロボット手術に取り組む施設ならではの発表が続いた。すべてのプログラムで活発な質疑応答を行い充実した2日間となった。

閉会式では徳洲会の大橋壯樹・副理事長(名古屋徳洲会総合病院総長)が「全国からご参加いただいた先生方の積極的な議論により、大変勉強になるセミナーとなりました。手術支援ロボットは今後ますます進化していくことでしょう。今後もTROSを通じた最新情報の共有により、患者さんのために、より良い医療を提供していただければと思います」と期待を示した。

終了後、桶川院長は「皆さんのおかげで“共創”というテーマにふさわしい内容のセミナーを開催できました。ロボットもAIも来年には、さらに進化しているでしょうから、しっかりそれを捉え、次回も充実した内容にしたい」と意欲的だ。

「患者さんへのより良い医療提供を期待」と東上理事長

全国から延べ511人が参加

「今後もTROSを通じ最新情報の共有を」と大橋・副理事長

「徳洲会は学術を創造する集団に進化」と桶川院長

会場の一角に手術支援ロボットの各種実機を展示

徳洲会グループの紹介パネルも

徳洲新聞2026年(令和8年)8/10月曜日 NO.1555より
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