ダイバージョナルセラピー
個別ケアでスタート
静岡徳洲苑と八尾徳洲苑
介護老人保健施設の静岡徳洲苑と八尾徳洲苑(大阪府)はダイバージョナルセラピー(DT)を開始した。
DTはPDCAサイクルに基づき、個人の楽しみやライフスタイルに焦点を当てるオーストラリア発祥の全人的アプローチ。個別ケアのひとつとして近年、介護現場への導入が進んでいる。
↑生け花の師範の免許をもつ利用者さんにフラワーアレンジメントを行ったところ、要介護度が改善
静岡徳洲苑の滝井芳美・総看護師長と八尾徳洲苑の武田郁子・総看護師長は昨年7月、約4カ月にわたるDTワーカーの養成講座を受講。
それぞれ自施設で実践し始めた。
静岡徳洲苑では主に重度の認知症入所者さんを対象に実施。
散歩やカフェなどの外出行事、土いじりが好きな人には施設の庭での家庭菜園作業など多彩なメニューを提供した。
とくに大きな効果が見られたのが、生け花の師範の免許をもっている入所者さん。
フラワーアレンジメントを行ってもらい、作品を写真で撮影しアルバムに納めたところ、BPSDが軽減、要介護度が4から2に改善した。
滝井総師長は
「私たち職員は、入所者さんのリスクに目が向くあまり、いつしか生活全般を管理してしまっていたのです。DTを行うようになり、意味のあるレジャー生活を取り入れることの大切さに気付きました」
と手応えを口にする。
↑「対象を広げてDT を実践していきたい」と武田総師長
八尾徳洲苑も認知症フロアの入所者さん対象に実施。
趣味や心身の状態を考慮し、参加者を6~8人選定して、今まで2回の外出イベントを行った。
参加者は、いずれも笑顔が増えるなど表情が良くなったり、落ち着きのない行動などが減ったりした。
武田総師長も「明らかにDTの効果が見られます」と強調する。
今春には3回目の外出イベントを計画。
通所リハビリテーションの利用者さんなど、参加の対象を認知症フロア以外にも拡大していく方針だ。
両施設ともにDTを試みた入所者さんの様子を記録・分析し、今後は導入効果を検証したり、学会などで発表したりしていく考え。
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