優良総合健診施設認定を更新 館山病院 受診者の安全などに寄与

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徳洲新聞2020年(令和2年)11/09月曜日 NO.1261より
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優良総合健診施設認定を更新 館山病院 受診者の安全などに寄与

館山病院(千葉県)は優良総合健診施設認定の更新審査に合格した。これは施設の独立性、基準検査、品質管理など、日本総合健診医学会が定めた厳しい条件を満たすことで認定される。健診施設としての信頼性を高め、受診者の安全などに寄与、さらに健康保険組合連合会指定人間ドックを受ける契約医療機関としても登録される。同認定は千葉県内に12施設、徳洲会グループでは館山病院以外に湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)。

徳洲会グループで2施設

黒岩センター長(前列中央)とスタッフ黒岩センター長(前列中央)とスタッフ

優良総合健診施設の認定には①施設が独立しており、一般診療受診者と区別されて総合健診が行われている、②同学会の規定する基準検査項目が総合健診受診者に対し行われている、③総合健診全体の品質管理が行われている、④受診者全員に対して当日面接を行い、健診結果の説明と生活指導を行うことができる――など厳しい条件をクリアする必要がある。

館山病院は1999年5月に健診センターを開設、2005年9月に同認定を取得した。認定を目指した理由について田村秀禎・事務次長は「当時の健診センターは古い病棟を改装したものだったので、完全に外来棟と独立していました。これで認定条件のひとつをクリアしていたので、地域の方々への健診の質の担保のために認定取得を考えました」と振り返る。

認定の更新は3年ごとに行われ、同院は今回で5回目の更新。更新日は9月30日。更新審査では書類審査を経て実地審査を受審する。具体的には日本総合健診医学会の施設認定委員2人が病院を訪れ、職員へのヒアリングと現場の目視確認などを行う。

同院は実地審査の4カ月前から準備を開始。審査項目ごとに担当者を設定し、それぞれが責任をもって書類やマニュアルなどの整備を進めた。このなかで昨年9月に病院機能評価の審査区分「一般病院1」の認定を取得し、院内の体制整備ができていたこともあり、スムーズに準備を進めることができた。また、4月に黒岩宙司・健診センター長が着任したことや、田村・事務次長が同学会の総合健診指導士の資格をもっていたことも更新審査合格の後押しとなった。

日本総合健診医学会による実地審査の様子日本総合健診医学会による実地審査の様子

審査を振り返り黒岩センター長は「今回の審査はJCI(国際的な医療機能評価)の概念を取り入れており、厳しかったように思います」と明かす。「機能調査票と施設調査票の整理を各部署と密に連携して行いました。幸い当院の取り組みは高く評価され、職員の能力の高さを示唆できたのではないでしょうか」と胸を張る。

田村・事務次長も「最初に認定取得してから15年が経過しましたが、この間にJCIなど第三者評価が浸透してきたこともあり、厳しい視点から質の評価が行われました。感染対策や医療安全、個人情報保護などに関し、どのように担保しているのか詳細に聞かれ、時代の流れを感じました」。

現在、同認定は千葉県内に12施設、館山病院が立地する安房地域では同院のみのため、マーケティング活動に生かす考えだ。

新築移転後に再度受審 地域の健康増進へ貢献

2022年3月に完成予定の新病院イメージ図2022年3月に完成予定の新病院イメージ図

同院は22年3月に新築移転オープンを計画。新築移転後は2カ月以内に再審査を受審する予定。新病院では、健診センターが外来部門と完全に独立していないため、ゾーニング(区分け)により健診センターの受け付け、診察室、面接室、放射線検査室などが、外来部門から機能的に分離するよう設計段階から考えている。

新病院は①中規模、地域密着型、ケアミックスの病院とし機動力を発揮、②リハビリテーションを核とし急性期・回復期・慢性期の診療体制を整え、外科系診療科の手術対応を強化、③災害対応できる病院、④在宅医療や介護との関係強化、⑤優秀な人材の採用と地域の人材育成に貢献――というコンセプトを掲げている。

同認定の取得は、地域密着型の病院として、地域の方々の健康増進を目指すうえで強いアピールになる。田村・事務次長は「新築移転前に更新審査に合格できたのはうれしいことです。新築移転後は、これまでの質を維持したうえで、新病院のハード面も生かし、より良い健診事業を行い健康増進に貢献していきたいと思います」と力を込める。

黒岩センター長は「今後も健診で見つかった課題をもとに、漏らすことなく受診者さんが疾病対策に取り組めるようフォロー体制を強化していきたいです」と意欲的だ。

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