下肢静脈瘤の新治療法 医療用接着剤を用い血管塞栓 庄内余目病院が山形県で初導入

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徳洲新聞2021年(令和3年)2/22月曜日 NO.1275より
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下肢静脈瘤の新治療法 医療用接着剤を用い血管塞栓 庄内余目病院が山形県で初導入

庄内余目病院(山形県)は下肢静脈瘤(りゅう)に対する新しい治療法である血管内塞栓術(グルー治療)を開始した。これは専用のカテーテルを用い下肢の静脈内に医療用接着剤を注入して血管をふさぐ治療法。身体への負担が小さく手術後の行動制限もほとんどない。2019年12月に保険適用となった。医療機器メーカーによると、導入施設は全国に約140施設(20年12月時点)。山形県では同院が初で、昨年10月に1例目の治療を実施した。

手術当日に車の運転可能

下肢静脈瘤治療に取り組む同院心臓血管外科の嶌田泰之部長は「手術時間は両脚でも1時間程度です。ひざ付近のみへの局所麻酔ですむため、痛みが少なく、治療後に弾性ストッキングを着用する必要もありません。さらに、そのまま車を運転して帰宅し、当日に夜勤の仕事があればそれも可能です。当日にシャワーを浴びることもでき、翌日から入浴できます」と強調。昨年10月26日に1例目の治療を行い、これまでに症例は30例(38肢)を数える(2月17日時点)。いずれも治療後の経過は良好だ。

高周波血管内焼灼術は、太ももの付け根からひざまでの広範囲に局所麻酔を行う。このため術後にある程度の運動制限が必要。また麻酔の量が多くなることから一度に片脚ずつの治療となる。

「当院のある地域は農業を営む方が多く、また介護職などの方々も含め、まとまった時間を確保するのが難しい現実があります。また、自家用車で来院し、ご自身で運転して帰りたいというニーズが強い地域です。そこで、そうしたニーズに応えられる治療法として開始しました」(嶌田部長)

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「都市部と同等の医療を」と嶌田部長

ただし、静脈瘤の状態やタイプ、患者さんが希望する治療効果によって、適した治療法が異なるため、血管内塞栓術が、どのような症例にも適した治療法というわけではないという。たとえば血管内塞栓術では、症状は治まるが、ボコボコとした静脈瘤が完全には治らないことがある。見た目が気になる場合は、後日、静脈瘤内に硬化剤を注射して血管を固め目立たなくすることで対応する。1回の治療で症状とこぶを治すには、高周波血管内焼灼術が適している。また、アレルギー体質の患者さんには血管内塞栓術が適さないことがあるという。同院は患者さんの希望をふまえ適切な治療法を選択。

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患者さんの身体に負担の小さい低侵襲治療

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