徳洲新聞2026年(令和8年)3/16月曜日 NO.1534より
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仙台徳洲会病院は新築移転した2022年4月にスマートベッドシステムを導入、看護の質向上や業務の負担軽減などに寄与している。同システムはベッドとセンサーが連動し、入院患者さんの安全確保と医療スタッフの業務効率化を両立するICT(情報通信技術)を活用した医療情報システム。導入から4年が経過し、見えてきたメリットや解決してきた課題などを紹介する。

「より良い看護を実践していきたい」と千葉・副看護部長(右)、北山・看護主任

専用の体温計を端末にかざすと、測定値が自動で記録される
スマートベッドシステムはベッドサイドに設置した端末を通じ、患者情報や安静度、ADL(日常生活動作)、食事指示、感染症、転倒・転落アセスメントスコアなど多岐にわたる情報を、ピクトグラムなどを用い表示。従来、これらの情報は紙のプレートやカードをベッドサイドに掲示して管理していたが、同システムの導入により、電子カルテと連動した最新のデータがリアルタイムで表示できるようになった。
北山巧・看護主任は「以前は患者さんの手術予定や絶食の指示があるたびに紙のプレートを差し替えに回っていましたが、その作業がなくなりました。ベッドまわりがスッキリし、情報の更新漏れも防げています」と力を込める。
バイタルサイン(生命兆候)測定の即時登録も可能。専用の体温計や血圧計などの測定機器を端末にかざすだけで、測定値が自動的に読み込まれ、電子カルテに送信される。入力のタイムラグがなくなることで、医師や他のスタッフも、つねに最新の患者状態を把握でき、迅速な医療判断につながる。
さらに、バイタルサインと同時に入力した意識レベルや酸素投与状況に基づき、「NEWSスコア」と呼ばれる急変予兆を察知するためのスコアも自動算出されるため、患者さんの予期しない急変を防ぐことにも寄与している。
転倒・転落リスクの高い患者さんに対しては、起き上がり、離床、端坐位といった動きを検知して通知。同院では「転倒・転落を未然に防げた」という報告件数が、実際に発生した件数を上回り、その効果は年々高まっている。これにより、身体的拘束(抑制)の実施率も10%を切る水準まで低下。患者さんの尊厳を守りつつ安全を確保するという、質の高い看護が実現している。
アラームが鳴った際は、患者さんの元へ駆け付け、セキュリティカードをかざさない限り止まらない仕組みになっており、これがスタッフの迅速な対応と意識向上につながっている。同院では「アラームが鳴ってから3分以内に駆け付ける」という目標を掲げ、病棟のアラーム通知件数約5,000件(月平均)のうち、3分以内対応は約95%と目標達成。うち1分以内は85%と迅速に対応している。
さらに、マットレスの下に設置する見守り支援システム「眠りSCAN」との連携により、呼吸数や心拍数、睡眠・覚醒状態をリアルタイムで把握。患者さんの睡眠状態を可視化することで、個々の生活リズムに合わせた、より質の高いケアの提供が可能となる。
可能な限り患者さんのそばに 居続け先回りした看護を提供
多職種連携でも大きな効果を発揮。リハビリテーションスタッフは、患者さんの睡眠履歴を端末で確認することで、夜間の睡眠状況に応じた適切な訓練時間を設定できるようになった。また、言語聴覚士(ST)が設定した食事の姿勢や枕の位置などを、写真として端末に取り込んで共有できるため、どのスタッフが対応しても一貫したケアを提供可能だ。
千葉恵美・副看護部長は「リハビリスタッフからは、ベッドサイドでカルテ情報を即座に確認できるため、業務が効率化したと好評です」と話す。また、電子カルテのモバイル版アプリ「ニュートンモバイル」とも連携しているため、ベッドサイドで患者情報や他職種の記録を確認し、その場でケアの内容を検討することもできる。
同院が推進する「セル看護(患者さんのそばで仕事を行い、先回りした看護を提供する方式)」にも、同システムは強力な武器となる。ベッドサイドに、つねに必要な情報があり、その場で記録が完結することで、看護師が患者さんと接する時間は確実に増加。単に作業を効率化するだけでなく、捻出された時間を患者さんとの対話や観察にあてることで、より手厚いケアの提供につながっている。
北山・看護主任は「その場で患者さんと向き合う時間が増えました。会話の機会が増えたことは、看護の質向上に直結しています」と手応えを示す。
今後は、蓄積された睡眠データやバイタルデータのさらなる活用が課題。たとえば、睡眠パターンを分析して睡眠薬の調整を医師と検討したり、呼吸数の変動から急変をより早期に予測したりするなど、データに基づく予測看護の深化を目指す。
千葉・副看護部長は「データを分析し、夜間の睡眠パターンからケアを個別化するなど、より踏み込んだ看護を実践していきたいです」と意気軒高だ。
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徳洲新聞2026年(令和8年)3/16月曜日 NO.1534より
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