徳洲新聞2026年(令和8年)9/14月曜日 NO.1560より
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静岡徳洲会病院は品質保証施設認証を取得した。これは、日本臨床衛生検査技師会が運営している第三者評価制度で、検体採取を含めた検査工程のすべてを対象とした品質保証の枠組み。認証施設は全国でも604施設(9月7日時点)と限られ、徳洲会グループでは同院を含め5施設のみ(表)。同院臨床検査科は2022年に「超音波検査室の精度認定制度」、25年には「輸血機能評価(I&A)認定」を取得するなど、医療の質の維持・向上や精度管理を担保する第三者評価の取得に積極的に取り組んでいる。
個人認定資格の取得推進も
品質保証施設認証制度は18年12月に施行された「医療法等の一部を改正する法律」をふまえ、従来の精度保証から、より広範な品質保証体制を認定する制度として発展させ、日本臨床衛生検査技師会が22年に開始。
検体採取や前処理、搬送、検査報告、検査値の解釈、妥当性の確認など総合的に審査対象となり、内部精度管理を通じて臨床検査の精度が十分に保証されていると評価できる施設に対して認証を付与している。
認証の対象範囲は臨床化学、血液、一般、免疫、微生物、輸血、細胞、生理、病理、遺伝子の10部門。静岡病院は今春に受審(システム上での書類審査)し、生理と遺伝子を除く8部門の認証を取得した。認証期間は26年6月1日から28年5月31日までの2年間で、2年ごとの更新制となっている。
認証基準は多岐にわたり、①日本臨床衛生検査技師会が主催している外部精度管理調査に2年連続で参加し、調査に参加したすべての項目に関して一定以上の水準であること、②外部精度管理調査でC評価、D評価だった項目に関して是正処置が適切に行われていること、③検査精度の確保に関する責任者の配置、④標準作業書、作業日誌、管理台帳を配備していること(内部精度管理に関する記録を保管し、活用していること)、⑤人的資源の確保(認証対象の検査室に臨床検査技師が常勤していること。適切な研修の実施、継続的な人材育成を行っていることなど)――の5項目。
臨床検査科の上田真路技師長(臨床検査技師)は「患者さんや、検査をオーダーする医師の先生方からの臨床検査科に対する信頼性のさらなる向上のため、24年の夏から準備してきました。検体検査は検査部門のなかでも大きな部分を占めているため、信頼性を客観的に証明する第三者評価の認証を取得したいと考えていました」と説明する。

品質保証施設認証書を持つ上田技師長(左)、認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師の認定書を持つ安本副主任

個人のスキルアップを業務に還元し、地域からの信頼を高めるとともに地域貢献を促進

認証取得に向けたプロジェクトの推進役として、臨床検査科の安本佑真副主任(臨床検査技師)が事務局を担当。安本副主任は徳洲会グループでも数少ない「認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師」の資格を有する臨床検査技師だ。
認証基準を満たすため、2年間、精度管理調査と並行して、まず認証基準を臨床検査科全体に周知。さらに、内部精度管理手順書や内部精度管理マニュアルの作成、精度管理調査でC評価・D評価があった項目に関して原因の究明や解決策などを記録した是正措置報告書の作成など対応を進めてきた。
「約2年後の受審を目指し、認証を取得した8部門のそれぞれに担当者を決めて、部門ごとに書類の作成などに取り組んできました。ゴールを決めて、そこから逆算し、その時々で、すべき課題を設定して、役割を明確にしたうえで担当者に割り振るということを行ってきました。科を挙げての協力体制に支えていただき、期日どおり進捗、認証取得のプロジェクトを円滑に遂行できました」(安本副主任)
他方で安本副主任は、認証を取って終わりではないことを強調する。同認証は2年ごとの更新制であり、今後もPDCA(計画→実行→評価→改善)サイクルを回し続け、継続的改善を図っていく考えだ。
「スタッフの努力や品質管理の成果を形にして“見える化”することで、院内外の信頼性の維持・向上と同時に、達成感を共有することで、スタッフのモチベーションの向上にもつながったと感じています」と上田技師長は振り返る。
国際規格ISO15189も視野
このように同院は施設認証の取得に尽力すると同時に、個々のスタッフのスキルアップにも力を入れ、各種個人資格の取得を後押ししている。認定国際細胞検査士や認定病理検査技師、認定超音波検査士、緊急臨床検査士などの資格保有者が多数在籍し、最近では安本副主任が認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師の資格を取得した。
同資格は「臨床検査全般の分野における精度保証について高度な学識と技術を有する臨床検査技師の育成を図り、より良質な医療を国民に提供することを目的」として、日本臨床衛生検査技師会が設けている認定制度。臨床化学・免疫化学の実務経験5年以上や指定講習会の受講、原著論文や学会発表などにより50単位の取得などの申請資格を満たし、認定試験に合格する必要がある。認定期間は5年間。
「検査部門として、できることに精いっぱい取り組み、責任を果たしていきたいです。少しでも病院全体の高機能化に寄与できればと考えています」と安本副主任は抱負を語る
スタッフ各個人がスキルアップして身に付けた高度な知識・技能が業務に還元されることで、病院としての高い専門性を支え、ひいては外部に対する強力なアピール材料となる。同院は施設認証と個人資格をセットで推進し、地域からの信頼性を高めるとともに、地域医療に対して一層貢献していきたい考えだ。将来的には、臨床検査室の品質と能力に関する特定要求事項を定めた国際規格であるISO15189の取得も視野に入れている。
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徳洲新聞2026年(令和8年)9/14月曜日 NO.1560より
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