徳洲会グループなど3機関 国内初の「異種腎移植」治験へ 遺伝子改変ブタ用い2028年にも実施

徳洲新聞2026年(令和8年)7/6月曜日 NO.1550より
詳細は「徳洲新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。

徳洲会グループは明治大学発ベンチャー企業のポル・メド・テック、北海道大学とともに、遺伝子を改変し拒絶反応を起こしにくくしたブタの腎臓を腎不全患者さんに移植する「異種腎移植」の治験実施に向けて動き出した。2028年の治験開始を目標とし実現すれば国内初となる。ドナー(臓器提供者)不足解消の一助となることが期待される。

異種腎移植の臨床試験は、腎移植の実績が豊富な湘南鎌倉総合病院(神奈川県)と北海道大学病院で実施する計画。安全性を最優先に取り組んでいく。ポル・メド社はクローニング技術などを駆使し、異種移植時の拒絶反応を抑制した遺伝子改変ドナーブタの生産・供給体制を構築、臓器移植の普及を目標に掲げる企業だ。

異種移植では激しい拒絶反応が最大の課題。レシピエント(移植希望者)の免疫システムが、他種由来の臓器を「危険な異物」と認識し、強力に排除しようとすることにより、拒絶反応が起こる。臨床試験では、拒絶反応を抑えるため69カ所の遺伝子を改変したドナーブタの臓器を用いる。これにより、ブタ内在性レトロウイルス(PERV)の感染も防ぐ。

この遺伝子改変ブタを開発したのは米国イージェネシス社。ポル・メド社はクローン技術を用い、この遺伝子改変ブタと同一のクローンブタを生産している。現在、米国ではFDA(米国食品医薬品局)による承認の下、イー社の遺伝子改変ブタの腎臓を患者さんに移植する臨床試験を実施。これまで4例の移植を実施、最長271日間の透析離脱につながった。

異種腎移植のイメージ図

ドナーブタを使った移植プラクティスの様子(画像提供:ポル・メド・テック)

東上震一理事長は「徳洲会グループは“生命だけは平等だ”の理念の下、最善の医療を全国の患者さんに届けることを目指しています。遺伝子改変ブタを用いた腎移植は、重度の腎不全患者さんに新たな治療の選択肢を提供する先進的な医療です。徳洲会グループは現在、全国に95病院を展開しておりますが、その中核病院である湘南鎌倉病院とグループ病院との連携により、スケールメリットを生かした治療法として、一刻も早い臨床応用を目指してまいります」と意欲を見せている。

湘南鎌倉病院で7月21日に 小林・副理事長らが記者会見

日本臓器移植ネットワークによると、腎臓の移植希望登録者数は5月31日時点で1万4,853人、腎移植(献腎移植)までの平均待機期間は約15年と長期に及ぶ。

湘南鎌倉病院は高度急性期医療を担う中核病院として、腎臓内科や泌尿器科、移植医療、病理、感染対策など、多職種が連携する高度な医療体制を有している。また、同院はライフサイエンス分野の研究開発拠点である湘南ヘルスイノベーションパークに隣接し、施設内には同院の研究ラボである湘南先端医学研究所も備える。こうした臨床力と研究基盤を兼ね備えた環境が評価され、今回の治験実施施設のひとつとして、参画することとなった。

7月21日には医療法人徳洲会の小林修三・副理事長(湘南鎌倉病院院長)をはじめ、ポル・メド社の代表らが出席し、報道機関向けに記者会見を行う予定。

徳洲新聞2026年(令和8年)7/6月曜日 NO.1550より
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