徳洲新聞2026年(令和8年)5/25月曜日 NO.1544より
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札幌東徳洲会病院のTAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)の治療実績が、累計2,000例を突破した。2017年4月の開始から1,000例達成までに要した期間は約5年。そこから約4年で2,000例に到達した。2,000例の突破は全国約270のTAVI実施施設のうち5施設目となる。同院は道内トップの実績を維持するだけでなく、全国1位を目指し、さらなる体制強化に乗り出している。
TAVIは重症の大動脈弁狭窄症(AS)の治療法で、2013年に保険適用となった。ASは心臓の左心室と大動脈を隔てる大動脈弁の動きが悪くなる病気。動悸や息苦しさ、胸痛などさまざまな症状を引き起こす。TAVIはカテーテル(医療用の管)を使って人工弁の置換を行う低侵襲の治療法で、開胸手術が困難な高齢患者さんにも適応できるのが特徴。現在、道内でTAVIを実施できる病院は、北海道大学病院をはじめ計14施設に上るが、札幌東病院が最多の症例数を維持している。
TAVI実施施設の認可には、心臓血管外科専門医3人の常勤やハイブリッド手術室(像診断装置と高機能手術台を併設する手術室)の整備など、高いハードルがある。「当時は専門医の確保に苦労しましたが、最終的には自前で志を同じくする医師を集め、認可にこぎ着けました」と、山崎誠治院長は道内後発施設としての苦労を振り返る。
立ち上げ期を支えたのは、齋藤滋・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)心臓センター長だ。山崎院長は「準備段階から齋藤先生に多大な協力をいただきました。プロクター(指導医)として毎週のように鎌倉から駆け付け、当院のメインオペレーターである山﨑和正・循環器内科部長兼構造的心疾患センター長を指導してくださったおかげで、今の実績があります」と謝意を表す。

TAVI累計2,000例目の後、ハイブリッド手術室で記念撮影

「目指す先は日本一」と山崎院長(左)、山﨑部長(右)

17年4月の1例目実施から症例は堅調に増え、22年に1,000例、今年で2,000例に到達。「当初は1,000例が目標だったが、あっという間に超えてしまい、今では2,000例。びっくりしています」と山崎院長は振り返る。
症例数の急増過程で最大の課題となったのが手術枠の確保だった。「枠は事前に決まっているため、急に件数が伸びて、手術室との調整や緊急症例の受け入れに苦労しました」と山﨑部長。「当時、TAVIの麻酔を担当していただいた医師も快く引き受けてくださり、手術室スタッフも治療に対し寛容に協力してくれました。」と感謝。
地域に根差し日本一を目指す
1,000例から2,000例への到達スピードを加速させた要因は大きくふたつある。ひとつはコロナ禍での経営判断だ。多くの病院がコロナの補助金を目的に一般救急を制限するなか、同院はコロナ病床を確保しつつも「救急を通常どおり受ける」方針を貫いた。山崎院長は「あの判断は今となっては間違いではなかったです」と言いきる。
並行してWEB問診の活用やドクターカー(モービルCCU=移動式心臓集中治療室)による遠方からの搬送体制も強化。高齢化が進む地域ほどASの患者さんは多いが、TAVI施設は都市部に集中している。これに対処するため、道内の徳洲会グループ病院や地域の医療機関と連携を進め、実績の蓄積が新たな紹介を呼ぶ好循環が生まれた。
もうひとつの要因が若手医師の育成だ。1,000例達成時は山﨑部長が、ほとんどひとりでメインオペレーターを担っていたが、現在、ファーストオペレーター経験者は8人にまで増加。「TAVIや構造的心疾患(SHD)の最先端治療に若いうちから携われる環境が、意欲ある研修医や専攻医を引き寄せています。見学に来た学生が『この病院で働きたい』と入職するケースも多いです」と山崎院長。
現在、同院の年間TAVI症例数は約270件で全国4位。山﨑部長は「目標は全国1位。上位3施設は年間350例ペースなので、なんとか追い越したい」と意気込む。今年度は年間300例の達成を視野に入れている。今後の展望に関し山崎院長は「現在1室のみのハイブリッド手術室を将来的には2室に増設し、麻酔科医との連携をさらに強化することで、もっと自由にTAVIができる体制を整えたいです」と意気軒高だ。
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徳洲新聞2026年(令和8年)5/25月曜日 NO.1544より
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