徳洲新聞2026年(令和8年)5/18月曜日 NO.1543より
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徳之島徳洲会病院(鹿児島県)は、石灰化した冠動脈に対するカテーテル治療を強化するため、国内の離島病院で初めて医療機器「ダイヤモンドバック」を導入、順調に推移している。人工ダイヤモンドでコーティングされたクラウンと呼ばれる金属部分が、高速で軌道回転することで、血管の内側にあるプラークを削り取り、狭くなった血管の内腔を回復させる。一昨年に導入したロータブレーターと合わせ、治療の選択肢が拡大。使い分けることで、より良い治療の提供を目指す。3月に開始し、今まで6例に実施。いずれも患者さんの経過は順調だ。
ロータブレーターに続き離島病院で初
冠動脈は心臓の表面に沿って形成され、心筋に血液を送る血管。酸素や栄養などが心臓に届けられることで正常に動くが、何らかの理由で血管の内側が傷つくと、血液中のコレステロールやカルシウムなどが沈着し、血管が狭くなったり硬くなったりする。いわゆる動脈硬化の状態で、さらに進行すると石灰化して心臓に血液が十分に届かなくなり、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)を引き起こしやすくなる。
同疾患に対する治療法のひとつがPCI(経皮的冠動脈形成術)。カテーテルを用いて病変部分にバルーン(風船)やステント(メッシュ状の金属製の筒)などを運び、血管を内側から押し広げ、血流を改善する。ただし、血管の石灰化が進んで病変が非常に狭く、硬くなってしまうと、バルーンやステントなどが病変部まで運べなかったり、運べても病変部で広がらなかったりする。
そうしたケースに用いるのがロータブレーターやダイヤモンドバックだ。人工ダイヤモンドでコーティングされた金属部分を先端に備えた各専用カテーテルを挿入し、高速回転させることで石灰部分を切削、狭窄部位の内腔を広げる。同治療後はバルーン、薬剤溶出性ステント(DES)や薬剤溶出性バルーン(DCB)などを用いて血管を治療する。
原則、コーティングされた金属部分は硬い物だけを削り、柔らかい物は削れにくくなっている。削られた病変 (切削片)は基本的に赤血球以下の大きさで末梢に流れ、最終的に体外に排出されるが、合併症として、切削片が血管末梢で塞栓するリスクもゼロではない。また、薬剤に対するアレルギーがある患者さんなど、同治療が受けられないケースもある。
両機器の最大の違いは切削する方向と範囲。ロータブレーターは金属部分の進行方向側のみにダイヤモンドコーティングが施されているため、前方向かつ金属部分と同じサイズを削るが、ダイヤモンドバックはコーティングがクラウンと呼ばれる金属部分全体に施されているため、後方に引いて削ることができる。また軌道回転のため、削る範囲がクラウンサイズよりも広い。

「治療の“武器”が増えることはうれしいです」と田代副院長

初症例で慎重に治療を進める田代副院長(右)

専用カテーテルを用いるダイヤモンドバック
田代・副院長兼循環器内科部長 「日本一の医療の島を目指す」
徳之島病院は一昨年に施設基準を満たしロータブレーターを国内の離島病院で初めて導入 (医療機器メーカー調べ)。同機器に続き今年3月にダイヤモンドバックを導入し、1例目を実施。5月15日時点で6例を手がけた。同院の田代篤史・副院長兼循環器内科部長は「治療の選択肢を増やしたいと思い、以前から導入は考えていました」と説明。「ロータブレーターは前方向に突き進む力が強い。一方、ダイヤモンドバックは後ろ方向に引いて削ることができます。押しで削るロータは大弯側、引きでも削れるダイヤモンドバックは小弯側が削れるイメージ。病変によって使い分けられることが一番のメリットです。ロータブレーターを使った後、局所的にダイヤモンドバックを使うなど“合わせ技”で使ったりする症例も、すでにあります」と話す。
今後も田代副院長は同治療の強化に努める方針。「今のところ、島内で血管の石灰化病変を治療できるのは当院しかありません。冠動脈治療の病変のなかでも、石灰化の治療は難しいので、“武器”が増えることは素直にうれしいです」と明かし、さらなる機器の充実はもちろん、下肢の血管治療やCVIT(日本心血管インターベンション治療学会)研修関連施設の認定など将来構想を明かす。「“日本一の医療の島”を目指し、いろいろな方と協力しながら努力していきます」と意気盛んだ。
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徳洲新聞2026年(令和8年)5/18月曜日 NO.1543より
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