徳洲新聞2025年(令和7年)12/8月曜日 NO.1521より
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特別養護老人ホーム(特養)かつらはら(神奈川県)は、今年度の「かながわベスト介護セレクト20」を受賞した。これは、介護サービスの質の向上や人材育成、処遇改善などで顕著な成果を上げた事業所を表彰する神奈川県独自の仕組み。かつらはらは日頃から、「夢を叶えるプロジェクト」など入所者さんの声の実現に向けて職員一丸となって取り組んでいることや、地域の行事への積極的な参加、介護の出前授業の実施など地域貢献活動を行っており、これらも高く評価された。徳洲会グループでは、これまでに特養かまくら愛の郷、特養逗子杜の郷、茅ヶ崎駅前訪問看護ステーションが受賞している。
多様な地域貢献活動も高い評価

「かながわベスト介護セレクト20」を受賞した特養かつらはらの職員。前列右が寒水施設長、後列右が石黒事務長

在宅の介護者向けに多岐にわたるテーマで開催している介護教室の様子

将来の介護人材輩出を目的として地域の中学校で出前授業
かつらはらは2017年2月開設の木造2階建てのユニット型特養で、全室個室(80床)タイプ。セレクト20の表彰式は11月1日に横浜市内で開催、表彰状の授与と奨励金(100万円)の交付を行った。
セレクト20を受賞するには、いくつかの段階を経なければならない。まず「かながわ介護サービス等向上宣言」を行い、次に「優良介護サービス事業所 かながわ認証」に申請して取得を目指す。「介護サービスの質の向上」、「人材育成」、「処遇改善」などの項目に関して一定の基準を満たすことで認証取得できる。
同認証を取得したうえで、セレクト20への申請が可能となる。所定の評価基準に沿い、書面と訪問調査により項目別に点数化、適否を判定。評価基準は「要介護度の維持・改善」、「看取りへの対応」、「中重度要介護者の対応」、「認知症高齢者の対応」、「離職率・勤続年数」、「介護職員が有する資格」、「研修の実施状況」、「その他の具体的な取り組み」などがある。
こうした段階的な取り組みに、かつらはらが着手したのは、23年に寒水直美施設長(介護福祉士)が就任してからだ。寒水施設長は「目標設定の一環で『かながわ介護サービス等向上宣言』を行い、『かながわ認証』の取得を目指しました。日頃から入所者さん第一の介護を実践してきましたので、同認証は取得できる自信がありました。早速、同年に応募、無事に取得でき、次のステップとして『セレクト20』にチャレンジしました」と振り返る。
また「地域を大切にしながら施設を挙げての活動を行いたい思いがありましたので、24年からさまざまな地域貢献活動を始めました」と話すように、じつに多様な取り組みを展開している。
そのひとつが介護教室の開催だ。在宅の介護者向けに講座を実施。内容は、おむつの当て方や、施設選び、サルコペニア(心身の虚弱)をテーマとした講義など多岐にわたる。
さらに、地域住民の方々が施設入所について気軽に相談できる窓口を常設したり、将来的な介護人材の輩出を目的として中学校に職員が出向き、介護の仕事に関する出前授業を行ったりしている。職員が街頭に立ち、赤い羽根共同募金活動への協力や、かつらはらが立地する藤沢市と連携した生活困窮者支援も実施。
「夢を叶えるプロジェクト」
入所者さん第一という方針を象徴するのが、同時期に開始した「夢を叶えるプロジェクト」だ。石黒紳輔事務長(介護福祉士)は「入所者さん本人やご家族の希望を調査し、入所者さんの誕生月に、職員がその実現を全面的にサポートする企画です。入所者さんに生きがいを感じていただくことが目的ですが、職員の達成感やモチベーションの向上にもつながっています」と説明する。
たとえば、何年も自宅に帰っていない入所者さんのケースでは、認知症が進行し来年は外出も難しいかもしれないという状況のなか、自宅の周辺をドライブしたところ、少しずつ近所のスーパーマーケットなどの記憶がよみがえり、希望したお墓参りもすることができた。涙を流して喜ぶ姿に同行者が胸を打たれる場面もあった。
また、元気な頃には釣りが趣味だったという入所者さんは、徐々にADL(日常生活動作)が向上し、同プロジェクトによって近所の釣り堀で釣りをすることができた。寒水施設長自らがアロママッサージを行うこともあった。
人材育成へ真摯に向き合う努力
質の高い介護や、さまざまな地域活動の取り組みを支えるのは、かつらはらの運営を担う一人ひとりの職員だ。宣言・認証取得からセレクト20の受賞と順調にステップアップした背景には、人材育成に真摯に向き合ってきた努力がある。
徳洲会グループのすべての介護施設・事業所に対しては、徳洲会介護部門が中心となってスキルアップ・キャリアアップのための研修プログラムを実践している。こうした体系的な研修制度を基盤としながら、かつらはらでは職員の成長と主体性を促すため、寒水施設長が現場のリーダー、サブリーダーとの会議を1年間、毎週1回のペースで継続し、密にコミュニケーションを図ったことが奏功した。
寒水施設長は「しばらく続けていると、リーダー職員から自発的な意見や企画が上がってくるようになり、それが実現すると成功体験となって、さらに下に伝わりサブリーダーの意識も変わっていきました。今では方針を示すと具体化してくれる組織に変わってきたことが、当施設の強みとなっています。入所者さんや地域の方々のために、全員が同じ方向を向いて取り組んでいける組織文化を、さらに強固にしていくのが今後の目標です」と抱負を語っている。
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徳洲新聞2025年(令和7年)12/8月曜日 NO.1521より
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