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徳洲新聞2021年(令和3年)2/15月曜日 NO.1274より
詳細は「徳洲新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。
徳洲会グループで初めて
PET検査は放射性薬剤(放射能を含む薬剤)を体内に投与、検出器で画像化し、細胞の活動状況を調べる。このひとつが、がんの診断。細胞は主にブドウ糖をエネルギーとして分裂を繰り返すが、悪性度の高い細胞は正常な細胞に比べ3~8倍のブドウ糖を取り込むとされている。この性質を応用し、ブドウ糖に似た放射性薬剤を投与、細胞への集積状況を画像で確認し、がんか否か、腫瘍の場所や大きさ、治療効果などを判断する。放射性薬剤は排泄(はいせつ)などにより体外に排出。

「地域の方々の健康増進に寄与したい」と末吉院長(右)、池信・技師長代行
PET-CTなど、全身を調べる装置が普及しているが、宇治病院が導入したマンモPETは乳房専用のPET検査装置。被験者は装置の上でうつ伏せになり、ホール(穴)に片側の乳房をセットする。ホールには円周状に検出器が取り付けられ、さまざまな角度から乳房内の細胞の活動状況を画像化。メーカー独自の検出器を採用し、画像の解像度がより高く、高精度の検査が可能という。

「私たちが対応します」と放射線診断科の女性スタッフと池信・技師長代行(右)
患者さんの身体的負担が少ないのも特徴。検査時は乳房をホールにセットするだけで、乳房を圧迫することはない。うつ伏せでも楽な姿勢が取れるよう顔が当たる部分がくぼみ、左右に体を動かすだけで撮像する乳房を切り替えられるよう、寝台の幅を広く設計。寝台の高さも低く、被検者の乗り降りや介助が行いやすい。マンモPETは2013年に保険収載。ただし、保険適用となるには、がんと診断され、全身のPET検査との併用でなければならない。
新築時にスペース確保
同院は昨年12月にマンモPETとPET-CTを導入。当初は自院の患者さんのみを対象とし、1月から他院からの紹介患者さんに対応、本格稼働した。被験者は、まず検査の説明を受け、血糖値を測定した後、放射性薬剤を体内に注入。薬剤が体内に回った頃を見計らい最初にPET-CTで撮影。休憩後、マンモPETで撮影し、必要であれば休憩をはさんでPET-CTで再撮影、帰宅する。検査の所要時間は約2時間。
放射線診断科の池信祐二・技師長代行(診療放射線技師)は「マンモPETの撮影自体は片側の乳房で5分程度ですが、PET-CTの撮影は放射性薬剤を投与してから2時間後に行う場合があります。随時、休憩も必要なため検査は2時間ほどかかります」と説明。ただし、今後は人間ドックなどでの活用も考えており、「健診・検診の場合は、もっと短い時間になる予定」という。従来、同院はマンモグラフィーとエコーによる乳がん検査を実施していたが、「診断がつかず経過観察となるケースもあった」(池信・技師長代行)という。「たとえば、マンモグラフィーでは若い女性に多く見られる高濃度乳腺がそれです。乳腺が発達しているため画像が白く映ってしまい、小さいがんの発見が困難でした」。

黒い点が腫瘍。小さいがんでもわかりやすい(医療法人仁泉会MIクリニック提供)
これらの検査にマンモPETを補完的に組み合わせることで、より精度の高い乳がん検査が可能になる。末吉敦院長は15年の新築移転時に設置スペースをあらかじめ確保。「当院で導入する前は、京都市内まで検査に行かなければならない方もいました。ようやく地域に貢献できます」と笑顔を見せる。同院がある京都府南部でもマンモPETは1台目ということもあり、「多くの方々に利用していただき、早期発見・治療に役立てていただきたいと思います」とアピールしている。

マンモPETと同時期に導入したPET-CT
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