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徳洲新聞2020年(令和2年)7/20月曜日 NO.1245より
詳細は「徳州新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。
医療の質向上や「働き方改革」も
凄い技術を一挙公開
コロナ禍が依然として収束の兆しを見せないなか、徳洲会グループの病院・施設ではさまざまな新技術を導入し感染対策に尽力している。これら新しいテクノロジーはコロナ禍が終息した後も「働き方改革」などに寄与する有効なツールとなり得る。ピンチをチャンスに変える新技術を一挙紹介する。
徳之島徳洲会病院 オンライン診療実地調査 総務省モデル事業に協力
徳之島徳洲会病院(鹿児島県)は総務省の「オンライン診療の普及促進に向けたモデル構築にかかる調査研究」に協力した。厚生労働省は2018年3月30日に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を公表、同年4月に診療報酬改定で「オンライン診療料」などが新設されたが、実際に同診療の立ち上げ方法などがわかりにくく、とくに地域全体でのオンライン診療の開始には、地域戦略・地域ルール(方法論)が必要とされることから、総務省では同調査を実施した。
調査に協力した訪問看護師と藤田院長(中央)
同調査は効率的な手順の明確化、地域で展開可能なオンライン診療の実施参照モデルの構築や、IoT(モノのインターネット)機器などを活用した効果的・効率的な疾病管理と組み合わせたオンライン診療について、複数の地域で実証し、成果を取りまとめるのが目的。18年度には全国の4医療機関で実地調査を実施、19年度には徳之島徳洲会病院を含め3医療機関が協力した。
同院が立地する徳之島では、高齢患者さんのほとんどが在宅での療養や看取りを希望するが、在宅医療を担う医師や拠点が不足しているのが現状。独居の高齢者も増えているため、日々の生活の見守り体制強化が望まれており、同院では19年1月、在宅医療の患者さんにオンライン診療を開始した。
訪問看護師が在宅の患者さんのバイタルデータを測定、藤田院長は病院にいながらリアルタイムで診察
訪問看護師が患家を訪問し、オンライン診療の補助を行うという手法を用いた。訪問看護師が持参したIoT機器で患者さんのバイタルデータ(心電図、酸素飽和度、血圧、体温など)の測定を行い、医師がオンライン診療の際に、そのデータを活用。同時にバイタルデータを自動的に電子カルテに転記するために、徳洲会インフォメーションシステム(TIS)の協力を得て、電子カルテとオンライン診療システムの連携も実施した。
実証期間中に在宅療養中の患者さん25人に対し、オンライン診療を実施。対応した藤田安彦院長は「訪問看護師の協力により、患者さんの表情だけでなく、バイタルデータもリアルタイムで確認しながら診察できるのは非常に有効でした。患者さんも安心した表情を見せていました。患者さんの自宅の様子がわかるので、いろいろなアドバイスもできます」と満足げ。
さらに「オンライン診療は離島・へき地病院のマンパワー不足解消、新型コロナウイルス禍での感染対策にも有用です。また、全国の徳洲会病院で同じシステムを組めたら、島外の専門医への相談などもしやすく、より効率的に医療の質を上げることができると思います」と展望している。調査研究に関するリポートは総務省ホームページで閲覧できる。
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