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徳洲新聞2020年(令和2年)8/3月曜日 NO.1247より
詳細は「徳州新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。
湘南鎌倉病院
地域がん診療連携拠点病院に指定
専門的で質の高いがん医療を提供
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けた。同拠点病院は、専門的で質の高いがん医療を提供する役割を担うとともに、地域の医療機関との連携拠点となる病院。指定を受けるには、診療体制や診療実績などに関し、国が定めた多岐にわたる要件をクリアする必要がある。医療機関が都道府県に申請し、都道府県知事からの推薦に基づき厚生労働相が指定を行う。徳洲会グループでは宇治徳洲会病院(京都府)に次ぎ2病院目。陽子線治療やBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)など高度ながん医療の実施を計画する先端医療センターの開設を2021年4月に控える湘南鎌倉病院は今後、より一層、がん医療の充実・強化に取り組み、患者さんに貢献していく考えだ。
「質の高いがん医療を提供していきたい」と下山センター長
湘南鎌倉病院が地域がん診療連携拠点病院の指定を受けたのは4月1日付。指定期間は4年間。全国で402病院が同拠点病院の指定を受け、神奈川県では18病院が指定を受けている(ともに20年4月1日時点)。
国民の2人に1人が、がんに罹患(りかん)し、3人に1人が、がんで亡くなっている。国は07年4月に施行した「がん対策基本法」などに基づき、がん医療の充実を推進。その一環で、全国どこでも質の高いがん医療を提供できるよう、がん医療の均(きん)てん化を図るため、高度ながん医療に取り組む医療機関を「都道府県がん診療連携拠点病院」や「地域がん診療連携拠点病院」などとして指定、整備を進めてきた。原則として、都道府県がん診療連携拠点病院は各都道府県に1カ所、地域がん診療連携拠点病院は都道府県が医療計画で定める「がんの医療圏」ごとに1カ所ずつ指定。
「徳洲会の病院は救急・急性期医療のイメージが強いですが、高度ながん医療を実践していると公に認められたことは、とても大きな意義があると考えます。国立がん研究センターが一般の方向けに情報発信しているホームページ(がん情報サービス)でも当院が掲載されるようになりました。これを機に、がん医療への取り組みをさらにピーアールしていきたい」と意気込みを語る。
地域がん診療連携拠点病院指定書
同院は21年4月に湘南鎌倉先端医療センターの開設を予定している。徳洲会グループ初の陽子線治療など高度医療に取り組む計画だ。地上4階・地下1階建て、延床面積は約1万2500㎡の予定。先進的な臨床・研究施設として、陽子線治療やBNCT、RI(放射性同位元素)内用療法、PET(陽電子放射断層撮影)を用いた創薬研究・支援などに取り組む意向。高度な医療を取り入れ、新たな治療の選択肢を提供していきたい考えだ。
化学療法や放射線治療などの標準治療も積極的に推進する。このほか、再生医療や健康診断(疾病の早期発見)の充実にも取り組む。
陽子線治療は、狙った病変に強い線量を効率良く集中し、正常組織へのダメージを軽減できるのが特徴だ。18年4月の診療報酬改定で保険適用が拡大し、現在、頭頸部(とうけいぶ)がん、骨軟部がん、前立腺がん、小児がんの一部が保険診療となっている。
BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物を利用した治療法。ホウ素化合物を静注して中性子を照射するとα線が発生し、がん細胞を内部から破壊する。「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がん」を適応疾患として、今年6月1日付で保険診療として実施できるようになった最新の治療法だ。標準治療を終え治療の選択肢がなくなった“がん難民”の方々の受け皿となれる施設を目指す。
先端医療センターの開設に向け工事が進捗(写真手前のクレーン付近、7月中旬に撮影)
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