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徳洲新聞2020年(令和2年)12/21月曜日 NO.1267より
詳細は「徳洲新聞ニュースダイジェスト」をご覧ください。
徳洲会グループで11病院目
職員一丸となってJCI認証を取得
JCI認証は世界中のベストプラクティス(最良の実践)をふまえ、3年ごとに認証基準の見直しを行う国際的な第三者評価。安全で質の高い医療を提供できる仕組みを導入するためのツールだ。
審査では、患者さんの入院から退院までをトレース(追跡)する形で、患者確認、診療記録の作成、転倒転落リスクのアセスメント(評価)などを適切に実践しているか、各種書類の閲覧や職員への口頭での質問を通じ徹底的に確認。施設や設備に関しても医療安全や感染予防の観点から適切な管理を行っているか審査する。
サーベイヤーとつながったパソコンと一緒に各部署を巡回
通常は米国のJCI本部から医師、看護師、施設・管理担当の計3人のサーベイヤー(調査員)が病院を訪問して審査するが、今回はコロナ禍により、サーベイヤーのうち1人が同院を訪れ、残り2人はオンラインで審査する形をとった。オンラインサーベイでは、サーベイヤー1人につきパソコンを1台用意、それをカートに載せて各部署を巡回し、同院の職員がサーベイヤーの指示に従ってカメラなどを操作した。
同院が同審査の準備を始めたのは4月頃、14のカテゴリーごとにリーダーとサブリーダーを決め、隔週で文書作成の進捗(しんちょく)状況や不明点などを確認する会議を実施。同時に医療安全や感染対策の観点から、中央材料室や内視鏡室などのゾーニング(区域分け)を見直し、改修工事を行った。オンラインサーベイのための準備では、9月に同更新審査を行った葉山ハートセンター(神奈川県)から助言を受けたり、機材を借りたりして備えた。
八尾病院でJCI事務局を務めた久木田政昭・総務課課長は「最終的には全職員が一致団結したからこそ、初審査に合格できたのだと思います。正解がわからないなか、各カテゴリーのリーダーには、自ら考えて動いてもらうなど大変な苦労をかけました。同時に、あらためて各部署の書類管理などが整備でき、とても良い職員教育になったと思います」と振り返る。
「我々はJCIというひとつの文化のなかにいる」と原田院長
竹内里佳・国際医療支援室職員は「新型コロナ禍で当初予定していた審査日程が延期されたり、モックサーベイ(模擬審査)はオンサイトだったのに本審査はオンラインになったりと、さまざまな変更がありましたが、徳洲会グループの心強いサポートのおかげで乗りきることができました」と謝意を表す。
本審査は11月9日から5日間実施。指摘された項目を改善した後は、3年後の更新審査に向けた体制を構築する計画だ。久木田課長は「今回の各カテゴリーのリーダーには各部署長や各病棟の看護師長などにお願いしましたが、次回は若返りを図り、今回のリーダーがバックアップをするという盤石の体制を敷きたいと考えています」と抱負を語る。
「徳洲会グループの心強いサポートのおかげ」と久木田課長(右)、竹内職員
JCI認証の初取得にあたり原田博雅院長は「JCI認証の目的は医療の質向上や安全の追求ですが、それを達成することがいかに大変かわかりました。審査をとおして一つひとつの書類管理や確認作業を積み重ねることが大切であると学びました」と明かす。
サーベイヤーからのコメントにも触れ、「審査の終わりに〝ここからロングジャーニーが始まる〟と言われましたが、本当にそのとおりだと思います。今後は、今の病院のシステムを継続し、発展させていかなければなりません。職員には『JCIというひとつの文化のなかに、我々が存在している』と伝えました」と気を引き締めている。
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